💡この記事のPOINT
・糸電話・ストロー笛・音叉を使った「音の発生と伝わり方」の導入授業の流れ
・音源・波・音の速さなど、中学１年で押さえる基本概念の指導のコツ
・生徒が驚く・興味を持つ実験ネタと、授業後の理解を深める説明例
本時の学習の流れ｜音の発生と伝わり方」の導入授業
本時の学習では、糸電話・ストロー笛・音叉などを用いた、音の発生と伝わり方（音源・振動・波・音の速さ）について興味を持たせることをねらいとする。
中１物理の「音」は、生徒が日常の体験とつながりやすく、
導入さえ工夫すれば一気に関心が高まる単元です。
この記事では、糸電話・ストロー笛・音叉などを用いた
音の発生と伝わり方（音源・振動・波・音の速さ）の導入授業について、
実際の流れと指導ポイントをまとめて紹介します。
めあて｜音の性質について調べよう
準備｜糸電話（紙コップのそこに糸を貼り付けるだけで◎）、ストロー、はさみ、音叉
| 活動内容 | 時間 | |
| 導入 | １．本時の学習について知る | ５分 |
| 展開 | ２．音が何でできているかを体験する ３．音はどうして伝わるかを理解する ４．音の速さを体験する | ２０分 １０分 １０分 |
| まとめ | ５．本時の学習を振り返る | ５分 |
１．本時の学習について知る
・音が何でできているのか、どうして伝わるのかを調べる時間であることを押さえる
２．音が何でできているかを体験する
◆ストロー笛 —「振動が音になる」ことを体感
ストローの先端を三角に切って吹くとブーッと音が鳴ります。
このとき、
「振動している部分が音源である」
ことを確認します。
・生徒に「どこが振動してる？」と質問しながら進める
・吹き方が難しいので、演示実験でもOK
・スマホ高速度カメラがあると一瞬で理解が深まる
◆音叉 — 目では見えないが確実に“振動している”
音叉を叩いて、
・水面に触れると水しぶきが出る
・紙片に触れると震える
ストロー
音叉
３．音はどうして伝わるかを理解する
◆糸電話 — 音が“波”として伝わっていることを体験
糸電話を張った状態で話すとよく聞こえ、
ゆるめると急に聞こえにくくなります。
ここから次の２つを導きます。
図を用いて、波が横に進むものの、
粒は上下に振動しているだけ
というイメージを押さえると理解が早いです。
◆空気・水・金属で聞こえ方が変わる話題に触れる
ここで実際の授業では、
「空気より水中のほうが速い」「金属はもっと速い」
などの話題を簡単に触れておくと、後の計算につながります。
４．音の速さを体験する
■音叉や黒板消しを叩く→遅れて音が聞こえる体験
教室後方で音叉や黒板消しを叩き、
生徒に
「見えてから音が聞こえるまでの“わずかな遅れ”」
に注目させます。
聞こえた人は手を挙げさせると
少しのズレに気づきやすくなる
→ ここから 音の速さ ≒ 340m/s（空気中） を紹介するとスムーズ。
５．まとめ 本時の学習を振り返る
糸電話・ストロー笛・音叉を使った導入は、
生徒の興味を大きく引きながら、
後の「音の高さ・大きさ」「波の作図」の理解にもつながる流れです。
本時のポイント
・音は 振動で生まれる（音源）
・振動が伝わることで音が進む（波）
・音は空気中を一定の速さで進む（約 340m/s）
を押さえた楽しく興味を引くような単元の導入をしましょう
・全体で押さえるポイントを共有し、学習プリントにまとめさせる
・互いにプリントを見せ合う時間をとってもよい
評価基準
１．自然現象への関心・意欲・態度
B 音について意欲的に調べることができる
２．科学的な思考
３．実験・観察の技能・表現
A 音について自分の言葉で説明することができる
B 音の性質や伝わり方を説明できる
４．自然現象への知識理解
授業プリント例
教師用・生徒用
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